2022 公示地価レビュー(住宅地: 練馬-39) – 石神井公園駅歩7分 石神井町 (1低層)

2022年の公示地価レビュー 練馬住宅地(練馬-39)
西武池袋線・石神井公園前駅 徒歩7分 石神井町 (1低層)

練馬区の西武池袋線石神井公園前駅から500m(徒歩7分)の住宅地(練馬‐39)、石神井町6-2-5(住居表示)についてみます。用途地域は、第一種低層住居専用地域。現況は地積360㎡(108.9坪)、住宅(木造)2F。西5.5m道路に接道。指定建ぺい/容積率は50/100。公示地価は、577,000円/㎡(坪190.1万円)と前年比+1.4%。標準的使用、最有効使用ともに低層住宅地。

[鑑定評価書1]は、市場の特性について、「同一需給圏は、練馬区西部の住宅地域のうち西武池袋線及び西武新宿線各駅から徒歩圏の優良住宅地域。需要者の中心は、練馬区内外の富裕層又は役員住宅を利用目的とする法人であるが、画地規模の大きい土地は建売業者による需要とも競合する。人気の石神井公園駅から近く、石神井公園にも隣接する優良住宅のため、宅地需要は区内でもトップクラスにある。なお、需要の中心となる価格帯は、土地値で8000万~3億円程度である」としています。

需要の中心は練馬区内外の富裕層、規模の大きな土地は建売業者とも競合。これは人気の高い都心近郊の高級住宅地に共通の動向といってよいでしょう。敷地細分化については、地区計画や条例で抑止する動きがあります。当標準値(練馬-39)の敷地規模は360㎡と大きいですが、敷地面積の最低限度は1低層50/100に適用される80㎡になるでしょう。自用の戸建て住宅以外の用途を制限需要の中心となる土地の価格帯は、敷地規模に応じて8000万円から3億円とあるので、取引される敷地規模は40~150坪と推定され、高級住宅地として大きな土地が売買されていることを示しています。

価格形成要因の変動状況については、一般的要因について「景気は停滞状況にあるが、コロナ感染者数の減少に伴い不動産需要は高まっており、一部飲食店街を除き地価はコロナ前の水準にもどった」とあります。

地域要因については、「石神井公園駅から徒歩圏の閑静な優良住宅地域。人気の住宅地として高い宅地需要があり、供給減も影響しコロナ前の地価水準に戻った」とあり、優良住宅地域として人気の高さが強調されています。地域要因の将来予測としては、「中規模以上の戸建住宅の多い優良住宅地域として熟成している。石神井公園駅からも徒歩圏の住宅地で底堅い需要が見込まれることから、今後も現状の住環境を維持しながら熟成度を高めるものと予測される」と、今後も高級住宅地としての住環境を維持、熟成度を増し、底堅い需要が見込まれる、と高い評価をしています。ただし、「画地規模の大きい土地は建売業者による需要とも競合する」としているのは、高級住宅地共通の敷地細分化の圧力があることを示していると言えるかもしれません。

試算価格の調整・検証及び鑑定評価額の決定の理由について、「対象標準地は画地規模の大きい戸建住宅の多い地域であり、アパートなどの収益目的の土地取引も見受けられるが殆どは戸建住宅の取得事例のため、住宅地としての快適性利便性を基に価格が形成されている。採用した取引事例も5件中4件が対象標準地と同じ個人住宅を前提とした売買であることから、その鑑定評価額は比準価格を重視し、収益価格を考慮のうえ、代表標準地との均衡も踏まえることにより、上記の通り評価決定した」としています。自用の戸建て住宅としての需要が大層だが、一部に高い人気を背景に、アパートなどの収益目的の土地取引がある、というのも、敷地規模の大きな高級住宅地にみられる共通の動き、といってよいでしょう。

[鑑定評価書2]では、市場の特性について「同一需給圏は、概ね練馬区及び周辺区内の高級住宅地域及び準高級住宅地域である。練馬区を代表する高級住宅地域であり、需要者は、富裕者層が中心。市場需給動向に関しては、標準的画地規模が大きく総額が嵩むものの、地元富裕者に安定した人気があり、供給量が少ないことも相俟って需要は堅調に推移している。土地は300㎡程度で1.5~2億円程度を中心に取引が行われている。コロナ禍の影響は落着いているが、引続き注意が必要である」と、同じく需要者は富裕者層、土地300㎡(90.7坪)で1.5~2億円程度ということですので、50~66.7万円/㎡(坪165~220万円)になります。敷地規模が大きくなると㎡単価は下がると推定されます。

価格形成要因の変動状況は、一般的要因については「新型コロナ禍の影響もあり、練馬区の住宅着工数及び土地取引件数は、微減傾向にあったが、直近の第三四半期では微増傾向にある」、地域要因について「練馬区を代表する高級住宅地域である。地域要因に特段の変動はない。地価は供給量が少ないが、若干の上昇傾向にある」、個別的要因は「変動はない」としています。同じく高級住宅地として位置づけています。

試算価格の調整・検証及び鑑定評価額の決定の理由については、 「近隣地域は、中規模以上の画地が整然と並ぶ高級住宅地域である。周辺においてアパート等の収益物件も見受けられるが、自用目的での取引が支配的であり、収益性よりも居住の快適性・利便性が重視される傾向にある。以上により、鑑定評価額の決定にあたっては、市場の特性を反映した比準価格を重視し、収益価格を参酌のうえ、代表標準地との検討を踏まえ、上記の通り鑑定評価額を決定した」とし、1と同様の内容です。

高級住宅地として自用目的の取引が中心ですが、そのブランド力を背景に、収益物件としての需要があるということは、土地利用に自由度があるということでプラス要因であるというのが私見です。

標準地番号: 練馬-39
調査基準日: 令和4年1月1日
所在及び地番: 東京都練馬区石神井町6丁目1217番16  地図で確認する
住居表示: 石神井町6−2−5
価格(円/m²): 577,000(円/m²)
交通施設、距離:  西武池袋線 石神井公園駅、 500m
地積(m²): 360(m²)
形状(間口:奥行き):  (1.0:1.5)
利用区分、構造:  建物などの敷地、W(木造) 2F
利用現況:  住宅
給排水等状況:  ガス ・ 水道 ・ 下水
周辺の土地の利用現況:  中規模以上の邸宅が建ち並ぶ閑静な住宅地域
前面道路の状況:  西5.5m 道路 その他の接面道路
用途区分:  第一種低層住居専用地域、 準防火地域
建ぺい率(%)/容積率(%) :  50/100
都市計画区域区分: 市街化区域
 

出典: 国土交通省 土地総合情報システム

Comment by Kota Nakako

 

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