英訳 万葉撰歌-44 Selected Poems of Manyoshu-44 (6-966)
大和道(ヤマトヂ)は 雲隠(クモガク)りたり 然(シカ)れども 我(ア)が振る袖を 無礼(ナメシ)と思ふな 右は、大宰帥大伴卿(キョウ)の大納言を兼任して、京に向ひて上道す。この日馬を水城に駐めて、府家を顧み望む。時…
~ 株式会社ゼネラル・カラー・サービス 中湖康太 経済文化コラム ~
大和道(ヤマトヂ)は 雲隠(クモガク)りたり 然(シカ)れども 我(ア)が振る袖を 無礼(ナメシ)と思ふな 右は、大宰帥大伴卿(キョウ)の大納言を兼任して、京に向ひて上道す。この日馬を水城に駐めて、府家を顧み望む。時…
凡(オホ)ならば かもかもせむを 恐(カシコ)みと 振りたき袖(ソデ)を 忍(シノ)びてあるかも 遊行女婦 (ウカレメ) 児島 (コシマ) (現代語訳) 普通の方ならばどのようにもしましょうが、恐れ多かろうと、振りた…
枕太刀(マクラタシ) 腰に取り佩(ハ)き まかなしき 背(セ)ろがめき来(コ)む 月(ツク)の知らなく 大伴部真足女 (オホトモベノマタリメ) (現代語訳) 枕太刀(護身のために、枕もとに置いておく刀)を腰に帯びて、い…
色深く 背なが衣(コロモ)は 染めましを み坂給(サカタバ)らば まさやかに見む 右の一首、妻の物部刀自売 (モノノベノトジメ) (現代語訳) 濃い色にあなたの衣は染めればよかった。足柄の御坂を越える時に、はっきり…
草枕 旅の丸寝(マルネ)の 紐絶えば 我(ア)が手と付けろ これの針持(ハルモ)し 右の一首は、妻(メ)、椋椅部弟女 (クラハシベノオトメ) (現代語訳) (草枕; 旅寝、旅の仮寝; 旅の枕詞) 旅の丸寝(衣服を着たま…
草枕(クサマクラ) 旅行く背(セ)なが 丸寝(マルネ)せば 家(イハ)なる我は 紐解(ホモト)かず寝(ネ)む 右の一首は、妻、椋椅部刀自売 (クラハシベノトジメ) (現代語訳) (草枕) 旅をする夫が、着物のまま寝る…
赤駒(アカゴマ)を 山野(ヤマノ)にはがし 捕(ト)りかにて 多摩(タマ)の横山(ヨコヤマ) 徒歩(カシ)ゆか遣(ヤ)らむ 宇遅部黒女 (ウヂベノクロメ) あかごまをやまのにはがしとりかにてたまのよこやまかしゆかや…
天地(アメツシ)の 神に幣(ヌサ)置き 斎(イハ)ひつつ いませ我(ワ)が背(セ)な 我(アレ)をし思(モ)はば 作者未詳 (現代語訳) 天地の神々に幣(ヌサ; 神前に供える布)をささげて、忌(イ)み慎んでいてください、…
防人(サキモリ)に 行くは誰(タ)が背(セ)と 問ふ人を 見るがともしさ 物思(モノモヒ)もせず 作者未詳 (現代語訳) 防人(古代、北九州の辺境防衛にあたった兵士)に行くのは誰の夫かと、ことばをかけている人を、見るとう…
白たへの 我(ア)が衣手(コロモデ)を 取り持ちて 斎(イハ)へ我が背子(セコ) 直(タダ)に逢ふまでに 狭野弟上娘子(サノノオトガミオトメ) (現代語訳) 白妙の、わたしの衣を、手にとって、身を慎んでください、わ…