2022 公示地価レビュー(商業地: 板橋5-9) – ときわ台駅(北口)歩1分 常盤台(商業)

2022年の公示地価レビュー (商業地: 板橋 5-9)
東武東上線ときわ台駅(北口)歩1分 常盤台(商業)

東武東上線ときわ台駅から70m(徒歩1分)の商業地(板橋5-9)、常盤台2-6-5(住居表示)についてみます。ときわ台駅北口の広々とした駅前ロータリーに面した土地です。用途地域は、商業地域。地積105㎡、利用現況は店舗兼事務所、RC(鉄筋コンクリート造)4F B1、南東15.0m 区道に接道。指定建ぺい率/容積率は 80/500。公示地価は、1,070,000円/m²(坪353.7万円)と前年比+0.9%。標準的使用、最有効使用は共に中層店舗兼事務所地。

[鑑定評価書1]は、市場の特性について、「同一需給圏は、板橋区及び隣接区内の鉄道沿線各駅から比較的駅接近性に優れた商業地域で、広域的に形成されている。需要者はチェーン店舗を展開している法人、テナントビルを建築し賃料収入を目的とする不動産業者及び投資家等が中心となる。コロナ禍による周辺店舗等への影響も、緊急事態宣言解除後からは回復傾向にある。立地の稀少性も相まって、需要は底堅い。土地の場合、1平米あたり100万円~120万円程度が需要の中心である」とし、稀少性、堅調な需要を指摘しています。

価格形成要因の変動状況については、一般的要因について「区内の人口は微減、世帯数は微増となっている。コロナ禍による停滞感は薄まっており、取引件数は横ばいながら、取引価格はやや上昇傾向にある」とコロナ禍からの回復の兆候を指摘。

地域要因については、「中層の店舗、事務所ビル等が建ち並ぶ駅前の商業地域であり、特段の変動要因はないが、地価はやや上昇傾向にある」としています。

地域要因の将来予測については、「駅前ロータリーに面した中層の店舗事務所ビル等が建ち並ぶ商業地域である。近隣地域の価格に大きな変動をもたらす要因は見受けられず、当分は現状を維持したまま推移するものと思料する」としています。ただし、北口駅前西の元東武ストア、URのビルが解体されたことから、跡地の再開発の動向が注目されます。

個別的要因については、「形状、街路条件にやや格差があるものの、標準的な画地であり、個別的要因に変動はない。市場競争力は普通であるものと思料する」としています。

試算価格の調整・検証及び鑑定評価額の決定の理由については、「当該地域はときわ台駅前に位置する繁華性の高い商業地域である。比準価格については同一需給圏内の代替競争関係を有する事例から選択して求められており、その規範性は高い。周辺には中高層のテナントビル等の収益物件が多く見受けられ、主たる需要者は取引にあたって収益性も重視して購入の検討を行っている。したがって、比準価格を標準とし、収益価格を信頼性に応じて相応に関連付け、鑑定評価額を上記の通り決定した」としています。比準価格と収益価格の双方を相応に重視しています。同評価書では取引事例比較法による比準価格は1,140,000円/㎡(坪376.9万円)、収益還元法による収益価格は900,000円/㎡(坪297.5万円)となっています。取引価格には稀少性からくるプレミアムが付加されていると推定されます。

私見では、当標準地の地積は105㎡と小規模なので、広々としたときわ台駅北口駅前ロータリー沿い商業地の本来の価値が反映されていないと推定しています。

[鑑定評価書2]は、市場の特性について、「同一需給圏の範囲は、板橋区とその隣接区に所在する鉄道沿線の各駅から至近の駅前商業地域である。対象標準地は高級住宅地を背後に控えたときわ台駅前の商業地域であり、日用品のスーパー、チェーン展開の飲食店や教育・医療等各種サービス関連の小売店等が立地する。中心的需要者は、東武東上線沿線に地縁的選好性を有する事業者やチェーン展開の法人、貸しビル業者などで、取引価格帯は土地で1~2億円程度である」としています。

価格形成要因の変動状況については、一般的要因について「区内の人口は微減、世帯数は微増傾向で、取引件数は横ばいからやや増加傾向にある。賃料は横ばい傾向、取引価格はやや上昇傾向を示している」

地域要因については、「特段の地域要因の変動はないが、コロナ禍の混乱から徐々に商況の回復がみられ、地価は概ね安定傾向にある」としています。

地域要因の将来予測については、「駅前ロータリーに面し、中層の店舗兼事務所等が建ち並ぶ商業地域である。老朽化した建物の建替が徐々に進むとみられるが、当面は現状を維持すると思料する」としています。駅前西の再開発の動向は現状では不透明で考慮には入れていないと推定されます。個別的要因については「特別の変動は見られない」としています。

試算価格の調整・検証及び鑑定評価額の決定の理由については、「比準価格は、同一需給圏内に存する利用状況等が類似した取引事例から求められた価格で、概ね規範性が高い。一方で、収益価格は現実の利用状況にかんがみ最有効建物を想定して求めた価格である。小規模店舗・営業所等が混在する地域であるが収益物件の取引は少なく自用目的の取引が主体の地域であることから、比準価格を重視して収益価格を参考とし、鑑定評価額を上記のとおり決定した」としています。同評価書では、 取引事例比較法による比準価格は1,120,000 円/㎡、収益還元法による収益価格は901,000 円/㎡となっています。

くりかえしになりますが、当標準地の地積は105㎡と、広々とした駅前ロータリーには不相応な小規模です。ときわ台駅北口駅前商業地の本来の価値が反映されていない、というのが私見です。これは規模のメリットが発揮されていない、開発法による評価ではない、という見方も可能かもしれません。今後の調査検討課題としたいと思います。

(基礎情報)
標準地番号:  板橋5-9
調査基準日:  令和4年1月1日
所在及び地番:  東京都板橋区常盤台2丁目6番7  地図で確認する
住居表示:  常盤台2−6−5
価格(円/m²):  1,070,000(円/m²)
交通施設、距離:  ときわ台、 70m
地積(m²):  105(m²)
形状(間口:奥行き):  台形 (1.0:2.5)
利用区分、構造:  建物などの敷地、RC(鉄筋 コンクリート造) 4F B1
利用現況:  店舗兼事務所
給排水等状況:  ガス ・ 水道 ・ 下水
周辺の土地の利用現況:  中層の店舗、銀行等が混在する駅前の商業地域
前面道路の状況:  南東    15.0m  区道
その他の接面道路:  背面道
用途区分、高度地区、防火・準防火:  商業地域、 防火地域
建ぺい率(%)、容積率(%):  80(%) 500(%)
都市計画区域区分:  市街化区域

出典: 国土交通省 土地総合情報システム

Comment by Kota Nakako

 

 
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