2022 公示地価レビュー(商業地: 川越 5-11) – 本川越駅歩12分 幸町(商業) ‐ 蔵造りの町並み

2022年の公示地価レビュー 商業地(川越 5-11)
本川越駅 徒歩12分 幸町 (商業) 蔵造りの町並み

川越市の西武新宿線本川越駅から950m(徒歩12分)の商業地(川越 5‐12)、幸町3-1についてみます。埼玉県で有数の観光スポットである蔵造りの町並みのある県道沿いに位置しています。用途地域は、商業地域。地積242㎡(73.2坪)、利用現況は店舗兼住宅、S(鉄骨造)3階建て、東10.0m 県道に接道。指定建ぺい率/容積率は 80/400。公示地価は、279,000(円/m²)(坪92.2万円)と前年比+0.7%。近隣地域の標準的使用、標準地の最有効使用は共に店舗兼共同住宅地。

[鑑定評価書2]は、市場の特性について、「同一需給圏は埼玉県全域の低価格帯商業地域です。需要者は法人及び個人事業者等で全国規模の広がりが見られます。2016年は川越まつりがユネスコの世界文化遺産に登録され天皇行幸の実績を踏まえて県内で唯一外国人観光客の賑わいが見られてきましたが、新型コロナウイルス感染症の影響で現在は日本人観光客のみです。商業地としての需要は底堅く土日の人出が増加しています。オープンマーケットで取引される物件は僅少で中心価格帯の特定は困難です」

価格形成要因の変動状況については、一般的要因について「県内中小企業の景況感は厳しい状況ですが製造業を中心に持ち直しの動きが続いており、先行きについては改善の動きがみられます」とあります。

地域要因については、「外国人観光客を呼び込める県内屈指の観光地で天皇行幸とユネスコ登録で今後も地価は盤石です」とコロナ禍にもかかわらず強い見通しです。

地域要因の将来予測については、「2016年に毎年10月開催の川越祭りがユネスコの文化遺産に登録されたことで国外からの集客が増加していましたが、現在は日本人観光客のみとなっています」と現状について記しています。個別的要因については「変動はありません」としています。

試算価格の調整・検証及び鑑定評価額の決定の理由については、「取引事例比較法では価格水準に注目し繁華性と多様性を中心に補正しました。一方、収益還元法は商業地の賃貸事例により試算していますが、伝統的建造物群指定地域のコストを反映した賃料設定が機能するには至りません。このため市場性に着目した比準価格を標準とし収益価格を勘案するほか、代表標準地に規準した価格を尊重して鑑定評価額を上記の通り決定しました」とあります。取引事例比較法による比準価格は283,000 円/㎡、収益還元法による収益価格は218,000 円/㎡となっています。稀少性からくるプレミアムと推定されます。

「蔵造りの町並み」という埼玉県有数の外国観光客を呼び込める観光スポットとして稀少性が極めて高い不動産と言えるでしょう。

[鑑定評価書1]は、市場の特性について、「同一需給圏は川越市及びその周辺市町における中心商業地域と判断する。主たる需要者は自用又は、収益事業用の土地を需要する個人、企業等のエンドユーザー、デベロッパー等が考えられる。近隣地域周辺は上記に記載した通り蔵造の町並みに存し、埼玉県内有数の観光地であることから需要は非常に高いものと考えられる。しかし、供給がほとんどなく、相場の把握は困難な状況である」とあります。稀少性が極めて高く、コロナ禍にもかかわらず供給はほとんどないことを示しています。

価格形成要因の変動状況については、一般的要因について「新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が徐々に緩和されつつあるものの、景気動向の回復への動きは弱く、新たな変異ウイルスも懸念される」とコロナ禍についての懸念を示しています。

地域要因については、「新型コロナウイルス感染症による営業自粛等も解除され、集客が回復しつつあることから、地価動向は持ち直しているものと思料する」と回復傾向にあることを示しています。

地域要因の将来予測については、「当該地域は川越市伝統的建造物保存地区のほぼ中心に位置し、観光客が集積する蔵造の町並みに存している。地域要因としては特段の変更はないが、当該地域は観光入込客数の変動に大きな影響を受けるものと思料する」と今後は、コロナ禍の終息と特に外国観光客の動向が鍵をにぎると言えそうです。個別的要因については「特に変動はない」としています。

試算価格の調整・検証及び鑑定評価額の決定の理由については、「商業地における取引事例数は少ないものの、採用した取引事例はいずれも同一需給圏内に存し、実証的で規範性の高い事例である。補修正も適切であり比準価格の説得力は高い。一方、収益価格については賃料設定等適切と判断されるが、建築費の高止まりしている状況等もあり、収益価格はやや低位に試算された。したがって、比準価格を標準に、収益価格を比較考量の上、代表標準地との均衡にも留意して、鑑定評価額を上記の通り決定した」とあります。なお同鑑定評価書では、取引事例比較法による比準価格は286,000 円/㎡、収益還元法による収益価格は211,000 円/㎡となっています。

(基礎情報)
標準地番号: 川越5-11
調査基準日: 令和4年1月1日
所在及び地番: 埼玉県川越市幸町3番1  地図で確認する
価格(円/m²): 279,000(円/m²)
交通施設、距離:  本川越、 950m
地積(m²):  242(m²)
形状(間口:奥行き):  (1.0:3.5)
利用区分、構造:  建物などの敷地、S(鉄骨造) 3F
利用現況:  店舗兼住宅
給排水等状況:  ガス ・ 水道 ・ 下水
周辺の土地の利用現況
低層の小売店舗等が建ち並ぶ既成商業地域
前面道路の状況:  東10.0m 県道
用途区分、高度地区、防火・準防火: 商業地域、 準防火地域
建ぺい率(%)、容積率(%): 80(%) 400(%)
都市計画区域区分:  市街化区域

出典: 国土交通省 土地総合情報システム

Comment by Kota Nakako

 

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