2024 地価公示レビュー 銚子5-1 商業

2024 地価公示レビュー 
銚子5-1 商業

観光都市としての銚子の魅力を調査した。

東京から車で約2時間、関東最東端のまち

東京から直線距離で100キロメートル、車で2時間程(京葉道路/国道14号、東関東自動車道/水戸線)。の関東最東端のまち「銚子」。

<犬吠埼のホテルから日の出をみた。関東最東端にあり、山頂・離島を除き日本で一番早く日の出を見ることができるという。一見の価値がある。犬吠埼灯台は、世界の灯台100選にも選ばれ、見学者数は日本一とのこと。明治7年(1874年)、イギリス人技師ブラントンの設計でつくられた高さ約32メートルの白亜の西洋式灯台。99段のらせん階段をのぼると太平洋が広がる。>

犬吠埼

銚子市は、日本一の流域面積を誇る利根川、風光明媚な君ケ浜や犬吠埼、白亜の犬吠埼灯台、粗削りで雄大な屏風ケ浦など、三方を川と海に囲まれ、岬あり断崖絶壁ありと、変化に富んだ景観を楽しめるまち。そして、銚子の地層は貴重なものであり、千葉県で初の日本ジオパークに認定された「銚子ジオパーク」には、1億2000万年前の海の様子を伝える「犬吠埼の白亜紀浅海堆積物」や、300万年前からの地層が続く「屏風ケ浦」などの貴重な地質が点在する。

銚子は、利根川や太平洋の恵みを受け、各種の産業が発達した。全国屈指の水揚げ量を誇る銚子漁港のほか、ヤマサ醤油・ヒゲタ醤油に代表される醤油醸造業、缶詰などの水産加工業、キャベツやメロンなどの農業が盛ん。

レトロな車両と駅舎の銚子電鉄や大海原を一望できる犬吠埼温泉、雄大な景色を楽しめる地球の丸く見える丘展望館と銚子ポートタワー、イルカウォッチングなど、観光スポットが多くある。

銚子市人口 57,589人 県内26位 全国472位

銚子鉄道とぬれ煎餅

<銚子電鉄に銚子駅から乗った。終点の外川まで片道20分往復約40分。醤油のまち銚子ならではの、ヤマサなどの醤油醸造工場、キャベツ畑、ネーミングライツされた駅名など、のどかな風景が見れる。・・・千葉県最東端の銚子市を走る、全長僅か6.4km の小さな私鉄。過疎化による人口減少や、観光客の減少により年々乗客数が減り、老朽化した線路、踏切、車両の修理費もままならぬ経営危機に瀕していた。それを救ったのが、当時(2006年)、数年前より製造・販売を開始した副業の「ぬれ煎餅」だった。「緊急報告 電車運行維持のためぬれ煎餅を買って下さい。電車修理代を稼がなくちゃいけないんです。」という社長、労組、従業員一同からのメッセージをHPに書込んだ。10日間で10,000人以上が共感、テレビなどにも取り上げられ、ぬれ煎餅は爆発的な売上げを記録した。この売上げにより「車輌の法定検査」や「老朽化施設の改修」などの費用を賄うことができた。思いもよらぬ「奇跡」・・・というエピソード。切符、改札なども自動化されておらず、車掌さんが対応するレトロな雰囲気だ。実際、生活のために利用する沿線住民の方々もいるが、それでは経営は成り立たないだろう。観光目的の利用と、まさに「ぬれ煎餅」が経営の柱だ。「ぬれ煎餅」3種購入した。醤油が沁み込んでおり美味しい。エピソードも加わり、醤油のまち銚子ならではの名産、お土産であり、観光資源といえる。>

利根川の醍醐味

<銚子市から利根水郷ライン/国道356号を車を走らせ(約45km、1時間)、香取市佐原にいった。伊能忠敬旧宅、伊能忠敬記念館を訪問するためだ。利根川は、群馬県は水上から太平洋に注ぐ一級河川。日本三大暴れ川に数えられるだけあって、水量が豊富で、すごみがあり、怖さすら感じた。先にも触れたが、元々は、現在の古利根川を通って東京湾に流れ込んでいたものを、江戸時代の治水事業、通称『利根川東遷事業』で銚子へ注ぐように開削され、今の流路に至ったものという。江戸時代にこれだけの大治水事業をするというのは、やはり、徳川家康の慧眼、人物の大きさを感じる。>

< コラム 1 江戸時代の銚子 >
江戸時代に江戸と銚子は水路(利根川)で結ばれた

江戸時代には利根川の水運により物流が発達した。江戸時代初頭、利根川は東京湾に注いでいてしばしば洪水を起こした。徳川家康は水害から江戸のまちを守るため利根川を銚子へ向けて流れを変えるよう命令を下した。約60年の歳月をかけて利根川の東遷工事は完成し、銚子と江戸は水路で結ばれることになった。

銚子は江戸の台所

これにより東北や関西からの物資が海路で銚子を経由し、高瀬舟に積み替えて江戸へ運ばれるようになり物流拠点として大いに繁栄した。さらに銚子で生産された醤油や干鰯(ほしか)なども供給され「銚子は江戸の台所」と称された。江戸時代の後期、銚子は江戸、水戸に次ぐ関東で三番目の大都市だった。これは利根川の水運が発達したことが大きく影響している。

黒潮を利根川がもたらす好漁場、醤油の醸造

黒潮は、日本列島に沿って北上するが銚子半島を最後に陸地から遠ざかって流れていく。銚子沖では親潮と大きな渦を巻いていて、そこに利根川から流れる山のミネラル分も加わってプランクトンが大量に発生するため屈指の好漁場になっているといわれている。醤油の醸造に適しており、環境といわれている。

(参考)
銚子ってどんなところ?|銚子市 (city.choshi.chiba.jp)
銚子市の位置・地勢|銚子市 (city.choshi.chiba.jp)
銚子観光の魅力 | 銚子市観光協会 (choshikanko.com)

 

< コラム 2 伊能忠敬 >
有能な商人、実業家にして、篤志家。 そして偉大な測量家。 セカンドライフで偉業

<伊能忠敬のセカンドライフでの偉業は、人生100年といわれる高齢化社会の今日、私たちに何か語りかけるものがあるような気がした。>

  • 九十九里生まれ 佐原の伊能家の養子に

伊能忠敬は1745年、千葉県の九十九里町で生まれた。幼い頃の名前は三治郎。17歳で酒造業や金融業、運送業を営む伊能家の婿養子になり、伊能家十代目当主になった。

  • 有能な商人、実業家 伊能家第十代目当主に

伊能家は代々名主(なぬし)を務める、佐原地域(現・千葉県香取市)の有力な商家。忠敬は、当主として家業の拡大と、名主としての務め果たした。家督を大幅に増やした。有能な商人、経営者、実業家。飢饉時に村人のために私財を投じた篤志家でもあった。測量に投資し大きな利益を上げたという。

  • 家督を譲り50歳で江戸へ; 天文学を学ぶ

伊能忠敬が、測量の道に進むのは49歳のこと。長男に家督を譲って隠居し、江戸に移り住んだのは50歳のとき。江戸での師匠は天文学者高橋至時(たかはしよしとき)。天文学と暦学を学んだ幕府の天文方に属する学者で、寛政暦を完成させた人物。忠敬は当時50歳、高橋至時は31歳で19歳も年下だったという。しかし、天文学、測量への情熱は年の差を乗り越えた。

  • 測量事業スタート; 日本全国地図を完成

この5年後に伊能忠敬の測量事業がスタートする(幕府の事業として行われたものと思われる; KN注)。伊能忠敬記念館に、忠敬が幕府から受け取った辞令には、忠敬の身分は「下総国香取郡佐原村元百姓 浪人」とあった。蝦夷地(北海道)の測量を皮切りに、東北、関東、近畿、中国、四国、九州と日本全国を測量して歩き、大日本沿海輿地全図(だいにほんえんかいよちぜんず)」を完成させた。伊能忠敬は17年間で歩いた距離はおよそ4万キロ。4万キロは地球一周に相当。伊能忠敬が作成した地図は、当時としては脅威の精度を誇り、作成後100年間にわたって日本で使用された。

  • 後のシーボルト事件

後のシーボルト事件(文政11年; 1828年)は、オランダ商館付の医師であるシーボルトが帰国する際、日本地図を持ち出そうとして発覚したスパイ事件。当時、日本地図の国外持出しは禁しされていた。それを贈った幕府天文方・書物奉行の高橋景保(至時の長男)ほか十数名が処分され、景保は獄死した。シーボルトは文政12年(1829年)に国外追放の上、再渡航禁止の処分を受けた。当時、この事件は間宮林蔵の密告によるものと信じられた。

樺太東岸の資料を求めていた景保にシーボルトがクルーゼンシュテルンの『世界周航記』などを贈り、その代わりに、景保が伊能忠敬の『大日本沿海輿地全図』の縮図をシーボルトに贈った。この縮図をシーボルトが国外に持ち出そうとした。

間宮林蔵(1775〜1844)は、江戸時代後期の探検家。常陸国(茨城県)の農家の生まれ。幕府の役人となり,1800年に蝦夷地(北海道)・千島探検参加,このとき伊能忠敬に測量術を学んだ。ついで1808年には幕府の命令で樺太(サハリン)を探検し,樺太が島であることをたしかめた。この功績によって,シベリアとの間の海峡は「間宮海峡」と名づけられた。晩年は幕府の隠密となり,1828年におきたシーボルト事件の告発者といわれる。

(参考)
利用案内(伊能忠敬記念館):香取市ウェブサイト (katori.lg.jp)
伊能忠敬旧宅:香取市ウェブサイト (katori.lg.jp)
伊能忠敬とは? 生涯や成し遂げたことをご紹介。距離はどのように測量していた?|ベネッセ 教育情報サイト (benesse.jp)
まみやりんぞう【間宮林蔵】 | ま | 辞典 | 学研キッズネット (gakken.co.jp)

銚子5-1 商業 公示価格 66,800(円/㎡) 前年比-3.3%

調査基準日 令和6年1月1日
所在及び地番: 千葉県銚子市末広町1番10
用途区分: 商業地
交通施設、距離: 銚子、590m
価格(円/㎡):  66,800(円/㎡)
対前年変動率(%):  -3.3(%)
地積(㎡) : 310(㎡)
形状(間口:奥行):  (1.2:1.0)
利用区分、構造: 建物などの敷地、RC(鉄筋 コンクリート造) 3F
利用現況:  事務所
給排水等状況:  ガス ・ 水道 ・ 下水
周辺の土地利用現況:  中心街に隣接し事務所等が多い普通商業地域
前面道路の状況:  東 20.1m 市道
その他の接面道路:  南側道
都市計画区域区分 非線引都市計画区域
用途区分、高度地区、防火・準防火: 商業地域、準防火地域
建蔽率(%)、容積率(%): 80(%) 400(%)
鑑定評価書

標準的使用:  店舗事務所併用地
最有効使用の判定:  店舗事務所併用地

(出所)
不動産情報ライブラリ (mlit.go.jp) 銚子5-1 商業 概要
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評価書を読む

評価書A,Bとも、一般的要因、地域要因として、人口減少、少子高齢化、漁業等地場産業も低調、不動産需要の弱含み、地価の下落傾向の継続・予測が指摘されており、厳しい状況にある。産業としては漁業の復活、犬吠埼、利根川などの観光資源、文化的・歴史的魅力をPRして、インバウンド需要を拡大するなど、観光産業の施策が必要であろう。

評価書A 1㎡当たりの価格66,800 円/㎡  対前年変動率(%) -3.3(%)

地域要因の将来予測: 路線商業地域への顧客流出等の影響により漸次衰退傾向にあるが、当分の間、現状の用途を維持すものと予測する。新規出店も無く需要は減退が継続しており、地価は下落傾向で推移するものと予測する

取引事例比較法: 比準価格  66,800 円/㎡
収益還元法:   収益価格  35,900 円/㎡

最有効使用の判定 店舗事務所併用地

市場の特性:  同一需給圏は、銚子市の中心市街地に所在する普通商業地域等で、一部旭市も含まれる。需要者は店舗、事務所等として自己使用目的の地元個人事業者又は零細企業等が中心。国道沿いの自動車利用が可能な大型店舗、飲食店等に顧客が流出する中で、商況は衰退傾向が著しく、新規出店も乏しく、店舗用地等の需要は弱い。供給は未利用地や中古物件が中心である。不動産取引の状況から、当該地域の地価は概ね60千円/㎡~80千円/㎡となっている。

試算価格の調整・検証及び鑑定評価額の決定の理由:
比準価格は現実の不動産市場で成立した複数の取引事例から求めたもので、現在の市場価値を反映した適正な価格である。一方、収益価格は経済価値の本質を表すもので本来なら商業地において重視すべき価格であるが、同一需給圏内では自己使用目的の取引が中心で、賃貸投資採算性に着目した取引は見受けられない。よって市場の実態に即して比準価格を標準とし、収益価格は参考に留め、代表標準地との検討も踏まえ、鑑定評価額を上記の通り決定した。

[一般的要因][地域要因][個別的要因] 人口減少や少子高齢化が顕著。商況は低迷し、大型店舗等の進出も無い。漁業等地場産業も低調。洋上風力発電事業による経済波及効果が期待される。
市内外の大型商業施設や路線商業地域に顧客が流出し、加えて人口減少の影響も受けて客足は非常に少ない。周辺では閉鎖店舗も見られる。
特に個別的要因に変動はない。

評価書B  1㎡当たりの価格 66,700 円/㎡ 対前年変動率-3.5%

取引事例比較法:  比準価格        66,700 円/㎡
収益還元法:    収益価格        28,600 円/㎡

最有効使用の判定:  店舗事務所併用地

地域要因の将来予測: 周辺の既成商業地域における核店舗の閉店、郊外の路線商業地域への顧客流出等の影響により、今後も衰退化傾向は継続していくものと予測される。

市場の特性:  同一需給圏は、銚子市内及び旭市等周辺市町の中心商業地域である。需要者は、店舗、事務所等として自己使用目的の地元事業者等が中心である。既成の商業地域内にあり、郊外の路線商業地の飲食店、物販店等への顧客の流出により商況は衰退化傾向にあり、新規出店も乏しいなど店舗用地等としての需要は依然として弱含みである。不動産取引の状況当該地域の地価は概ね60~80千円/㎡となっている。

試算価格の調整・検証及び鑑定
 評価額の決定の理由:  同一需給圏内の類似地域の取引事例から試算した比準価格は、市場の動向を反映し信頼性も高い。一方、同一需給圏内においては、自用目的での取引が中心であり、需要者も取引に際し賃料収入による収益性を重視する傾向が弱く試算された収益価格はやや説得力に弱い。したがって、市場の実態を反映した比準価格を標準とし、収益価格は参考に留め、代表標準地との検討も踏まえた上、鑑定評価額を上記の通り決定した。

業地域への顧客流出等の影響により、今後も衰退化傾向は継続していくものと予測される。

[一般的要因][地域要因][個別的要因] 漁業、水産加工業、観光業等の地域産業は低迷しており、人口減少、少子高齢化も歯止めがかからず、総じて市内の不動産需要は弱含みな傾向にある。
郊外の路線商業地域への顧客の流出により、周辺の既成商業地域は衰退化傾向にあり、地価の下落傾向も継続している。

個別的要因に変動はない。

by Kota Nakakao

 

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