英訳 万葉撰歌-25 Selected Poems of Manyoshu-25
このころは 恋ひつつもあらむ 玉くしげ 明けてをちより すべなかるべし 狭野弟上娘子 (サノノオトガミオトメ) (現代語訳) 今のうちは、恋しくはあっても堪えられましょうが、夜が明けた後は、どんなにか術のないことでしょ…
~ 株式会社ゼネラル・カラー・サービス 中湖康太 経済文化コラム ~
このころは 恋ひつつもあらむ 玉くしげ 明けてをちより すべなかるべし 狭野弟上娘子 (サノノオトガミオトメ) (現代語訳) 今のうちは、恋しくはあっても堪えられましょうが、夜が明けた後は、どんなにか術のないことでしょ…
我が背子(セコ)し けだし罷(マカ)らば 白たへの袖(ソデ)を 振らさね 見つつ偲(シノ)はむ 狭野弟上娘子 (サノノオトガミオトメ) (現代語訳) あなたが、ひょっとして(万が一) 退出する(下向する)ことがあった…
あしひきの 山路(ヤマヂ)越えむと する君を 心に持ちて 安けくもなし 狭野弟上娘子(サノノオトガミオトメ) (現代語訳) (あしひきの; 山に掛かる枕詞) 山道を越えて行こうとするあなたを気にかけていて、心穏やかで…
我が背子(セコ)が 帰り来まさむ 時のため 命残さむ 忘れたまふな 狭野弟上娘子(サノノオトガミオトメ) (現代語訳) あなたが帰って来られるでしょう、その時のために、私は生きておりましょう。お忘れにならないでください…
君がむた 行かましものを 同じこと 後(オク)れて居(ヲ)れど良きこともなし 狭野弟上娘子(サノノオトガミオトメ) (現代語訳) あなたと一緒に行けばよかった。同じことです、後に残っていても、良いこともありません。 A…
帰り来(ケ)る 人来(キタ)れりと 言ひしかば ほとほと死にき 君かと思ひて 狭野弟上娘子(サノノオトガミオトメ) (現代語訳) 帰って来た、人が来たと言ったので、死ぬかと思いました、あなたかと思って。 People …
宮人の 安眠(ヤスイ)も寝(ネ)ずて 今日今日(ケフケフ)と 待つらむものを 見えぬ君かも 狭野弟上娘子(サノノオトガミオトメ) (現代語訳) 宮人が安眠もせずに、今日か今日かと待っているだろうに、姿をお見せにならない…
味真野(アヂマノ)に 宿れる君が 帰り来(コ)む 時の迎(ムカ)へを 何時(イツ)とか待たむ 狭野弟上娘子 (サノノオトガミオトメ) (現代語訳) 味真野(福井県越前市)に、宿泊されるあなたが、帰って来られる時になる…
ぬばたまの 夜見し君を 明くる朝(アシタ) 逢はずまにして 今そ悔(クヤ)しき 狭野弟上娘子(サノノオトガミオトメ) (現代語訳) (ぬばたまの; 夜に掛かる枕詞) 夜に見たあなたに、明くる朝逢わずじまいで、今悔やむの…
このころは 君を思ふと すべもなき 恋のみしつつ 音のみしそ泣く狭野茅上娘子(サノノオトガミノオトメ) (現代語訳) この頃は、あなた思い、やりきれぬ恋ばかりして、声をあげて泣いています。 These days, I …