UK 不動産調査 (5) カーディフ
ウェールズ政府主導のサステナブルな成長戦略 - 70超の日本企業が進出
グリーンエナジー、AI、化合物半導体などサステナブルな成長戦略を進めるウェールズには、トヨタ、ソニー、パナソニックなど70社を超える日本企業が進出している。ウェールズの魅力は、①地理的優位性(ロンドンやEU市場へのアクセスの良さ)、②事業コスト効率が良い(土地、人件費などがロンドン、南東イングランドに比べて低い)、③人材力・教育機関との共創がある、④政府の支援体制(投資、税制、事業立上げ)がある、⑤すでに70社超が進出し、日本企業コミュニティー・ネットワークが構築されている、ことがある。
ウェールズの首都カーディフ ロンドンからGWRで約2時間半
カーディフは、ウェールズの首都で、人口約36万人、ロンドンから西約250kmにある。ロンドン・パディントン駅からグレート・ウェスタン・レイルウェイ(GWR)でカーディフ・セントラル駅まで2時間10分から30分。19世紀半ばから20世紀初頭にかけて、ウェールズ産の石炭はカーディフから世界中に輸出され、世界最大の石炭積出港として発展した。石炭貿易の衰退後、カーディフ湾は再開発され、現在は観光地、商業、文化の中心地に変わっている。(ちなみに、36万人というと、東京都板橋区の人口が約58万人(2025年)なので、板橋区よりも小さく、新宿区とほほ同等。県庁所在地では、長野市とほぼ同じ。)
観光地、商業、教育文化の中心地 - ウェリッシュな趣きのある街
カーディフの友人に中心エリアを案内してもらった。カーディフ・セントラル駅の北には、ウェリッシュな趣きを感じるレストラン、パブ、ショッピング・アーケード、金融機関などからなる商業地域、ウェールズで圧倒的人気を集めるラグビーのナショナル・チームが本拠地とするミレニアム・スタジアム、ビュート・パーク、カーディフ城、カーディフ国立博物館・美術館、カーディフ大学、ウェールズ政府などがある。駅南は、カーディフ港に向けて、リバー・タフ、ロイド・ジョージ通り沿いなどに住宅地が広がる。
カーディフ中心部 中古戸建て住宅 居住面積100㎡(30坪)で32万ポンド(6,300万円)程度
カーディフ・セントトラル駅から徒歩30分内程度の一戸建て住宅(土地建物所有権)の主な売り物件について見てみることにした。(下表)
9件の平均は、3~4ベッドルール、床面積約100㎡(30坪)で、32.2万ポンド(約6280万円; 1ポンド195円換算)となった。カーディフ・セントラル駅から歩30分、3-4ベッドルーム、居住面積100㎡(約30坪)の中古住宅が、6300万円程度。建物のリフォーム代を考えれば、安いとはいえない、という感触だ。ウェールズの首都、中心部となれば妥当というところだろうか。
by Kota Nakako
2025/06/20

