2023 地価レビュー 三重県伊賀市 伊賀-1  住宅

2023 地価レビュー
三重県伊賀市 伊賀-1  住宅

津市から車で約1時間で伊賀市に到達する(伊勢自動車道‐国道25号/国道163号)。伊賀市は伊賀忍者NINJAで世界的に有名。伊賀上野城は天守閣を有し、城下町、武家屋敷の面影を残している。伊賀流忍者博物館では忍術の歴史などを知ることができる。日本では聖徳太子が使った志能備・大伴細人が用間(スパイ)第一号だという。孫子の兵法に用間(スパイ)の重要性が説かれている。俳聖・松尾芭蕉の出生(寛永21、1644)の地でもあり、芭蕉翁記念館、芭蕉翁生家がある。
伊賀市は観光都市としての魅力を打ち出している。それはまた多かれ少なかれ不動産価値にも反映されることになるだろう。

令和5年公示価格: 41,500 円/㎡ 前年比-0.2 % (前年公示価格41,600 円/㎡)

所在及び地番並びに「住居表示」等: 伊賀市上野丸之内131番3
地積:374㎡
法令上の規制等: (都) 1中高 (第一種中高層住居専用地域) (60, 200)
形状:1:4 
敷地の利用の状況:住宅RC2
周辺の土地の利用の状況: 中規模の住宅等が建ち並ぶ駅に近い既成住宅地域
接面道路の状況: 東7m市道
供給処理施設状況: 水道、ガス
主要な交通施設との接近の状況: 伊賀鉄道伊賀線・上野市駅 330m
範囲:   東30 m、西40 m、南50 m、北65 m
標準的使用:      低層住宅地
標準的画地の形状等: 間口約9.5m、奥行約40.0m、規模380 ㎡程度、形状 長方形

安定的に推移、地価は回復傾向  観光都市としての魅力も期待

地域要因の将来予測: 旧市街地の中心部に位置する既成住宅地域で、安定した利用状況にあり、現状のまま推移するものと予測する。市街地の中でも駅や公共施設も多い住環境で、地価は回復傾向にある。
(KNコメント:安定的に推移、地価は回復傾向にある、等の指摘はポジティブ。城下町の面影を残し、整然とした街並みで、観光都市としての魅力もあり、道路交通の利便も比較的良いことから今後注目度が高まることも期待される。それは地価の安定的推移に寄与すると推定される)
最有効使用の判定: 低層住宅地
鑑定評価の手法の適用:
取引事例比較法   比準価格            41,500 円/㎡
収益還元法          収益価格            10,700 円/㎡

土地取引の中心価格帯:380㎡程度の規模で1500~1700万円 (坪10~17万円)

市場の特性:      同一需給圏は伊賀市の住宅地域で、需要者の中心は同一需給圏内の居住者である。中心市街地の既成住宅地域で、市庁舎移転とスーパーの撤退などにより、地価の下落傾向は進んでいたが、駅、バスセンターに近く、学校、公園などの公共施設も多く見られる利便性に優れる地域で、自然災害の少ない中心市街地への回帰傾向も相まって、需要は回復しつつある。土地取引は380㎡程度の標準規模で1500万円~1700万円が中心価格帯である。

試算価格の調整・検証及び鑑定評価額の決定の理由: 
収益目的の物件も見られるが、自己使用を目的とする取引が中心であり、土地価格に見合う賃料水準が形成されているとは言えないため収益価格は低位に試算された。これに対し、比準価格は市場参加者が重視する居住環境の快適性・利便性を実証的にあらわす価格であること、また、既成市街地の取引事例を中心に収集し得たことから、比準価格を重視し、収益価格は参考にとどめて、鑑定評価額を上記のとおり決定した。
(KN注:住宅地においては、収益性よりも住環境、快適性・利便性、名声等が重視されることから、比準価格と収益価格の格差は一定の妥当性をもつだろう)

人口減少率、高齢化率高い 地方都市により顕著 

価格形成要因の変動の状況:
[一般的要因] 県内景気は雇用は回復基調で、個人消費や住宅投資は持ち直しの兆しが見られる。伊賀市の人口減少率、高齢化率はともに高い。
(KN注:人口減少率、高齢化率が高いのは、地方都市においては特に顕著な傾向といるだろう。これは日本全体の問題でもある。観光都市としての活性化でどれだけ補えるか、がひとつのカギといえるだろうか?)
[地域要因] 地域の大きな変動要因はない。住環境や利便性に優れた地域で、地価は回復傾向にある。[個別的要因] 個別的要因に変動はない。

(参考) 収益価格算定にあたっての前提
想定建物の状況:共同住宅
建築面積(㎡):120.00
構造・階層:S2 (鉄骨2階建て)
延床面積(㎡):240.00
想定建物の概要:2DKファミリータイプ 60㎡を想定 (2DK 4戸)
有効率: 100.0 %  理由: 外階段のため
1㎡当たり月額支払賃料:1,140円 (2DK 60㎡ 1戸当たり 月額68,400円)
保証金・権利金(月数):各2.0

想定建築費は低め? 還元利回り低め?

建物等の初期投資額: 33,600,000 円
(算定根拠)  136,000 円/㎡ × 240.00 ㎡ × (100% +設計監理料3.00 %)
坪当り約45万円 (KN注:かなり低め?)
還元利回り: 4.9% (KN注: かなり低め? 収益価格はさらに低くなると推定される)

参照:鑑定評価書 (mlit.go.jp)

以上

By Kota Nakako

2023/6/18

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