2023 地価レビュー 板橋-38 住宅 東山町

2023 地価レビュー
板橋-38 住宅 東山町

(KNコメント)

東武東上線、メトロ有楽町線の2線、3駅の徒歩圏

東上線ときわ台駅南口から歩12分(900m)、中板橋駅南口より歩15分(1.1km)、メトロ有楽町線小竹向原駅から歩17分(1.3km)と歩10分余になるが、2線3駅の利用可。また、環状七号線、川越街道(国道254号)交差点・板橋中央陸橋より歩6分。

細分化が進行しつつある

東山町は、もともと敷地が比較的大きい画地(50~80坪)の良好な住宅地であったが、最低敷地面積が60㎡であることから、相続等を契機として、業者が取得して敷地分割し、建売住宅として販売する事例が増えている。当地も2分割が可能な土地。ただし、鑑定評価では、標準的な画地を160㎡としている。「需給は比較的安定し、敷地を細分化した取引が多くなりつつある」との指摘があり、ゆったりとした敷地の良好な住宅地から、普通の住宅地に変化しつつあるように思う。最低敷地面積100㎡(一低層)の常盤台と比べて変化が顕著である。「土地取引の中心価格帯は坪単価150~200万円程度、新築戸建5,500万円~6,500万円程度」

ほぼ相応

収益価格の算定にあたっては、鉄骨造3階建て(1LDK 4戸・各約42㎡;2LDK1戸・約67㎡)、建築費6,000万円、坪約75万円)、賃料は2,500~2,600円/㎡ としている。

この前提だと、42㎡1LDKが解月額105,000~109,200円、67㎡2LDKが174,200円になる。当社が管理している類似の物件の賃料にほぼ相応している。

収益価格の算定 ― 複合不動産として求める(実務的簡便法)

鑑定評価では、土地の収益価格について、全体の純収益を建物に帰属する純収益、土地に帰属する純収益に分けて求め、土地の還元利回り4.1%を除して求めている。

実務的には簡便法として、複合不動産としての全体の純収益を、複合不動産の還元利回りで除した、複合不動産の収益価格から、建物への初期投資額を引いて収益価格求めることができるだろう。土地の収益価格330,000円に相応するのは5.3%である。(下記参照)

(以下鑑定評価書を元にKN作成)

令和5年公示価格: 492,000円/㎡ 前年比+4.2%  (前年公示地価472,000 円/㎡)

所在及び地番並びに「住居表示」等: 
板橋区東山町23番15外  「東山町23-8」

地積:165 ㎡
法令上の規制等: 1中専 (60,200) 準防 (その他)高度地区2種22m 最低敷地60㎡ (70,200)
敷地の利用の状況: 住宅 W2
周辺の土地の利用の状況: 中小規模の一般住宅等が建ち並ぶ住宅地域             西6.9m区道       水道、ガス、下水             ときわ台
接面道路の状況: 中小規模の一般住宅等が建ち並ぶ住宅地域
接面道路の状況: 西6.9m区道
供給処理施設状況: 水道、ガス、下水
主要な交通施設との接近の状況: 東武東上線ときわ台駅 900m
標準的使用:      低層住宅地  
標準的画地の規模: 160㎡程度

地域要因の将来予測: 中小規模の一般戸建住宅等が建ち並ぶ住宅地域である。地域要因に特段の変化は見られず、当面は現状維持のまま推移すると予測する。

最有効使用の判定             低層住宅地
鑑定評価の手法の適用
取引事例比較法   比準価格           512,000 円/㎡
収益還元法          収益価格           330,000 円/㎡

市場の特性:
同一需給圏の範囲は、板橋区南部に位置する東武東上線、都営三田線沿線各駅から徒歩圏内の比較的小規模な低層住宅が建ち並ぶ住宅地域である。需要者の中心は、板橋区及び隣接区のほか、一部埼玉県内に居住し、地域的選好性を有する一次取得者である。需給は比較的安定し、敷地を細分化した取引が多くなりつつある。土地取引の中心価格帯は坪単価150~200万円程度、新築戸建5,500万円~6,500万円程度である。

試算価格の調整・検証及び鑑定評価額の決定の理由:
比準価格は、市場の実勢を反映した実証的な規範性の高い価格である。収益価格はアパートとして賃貸する場合の収益性を反映している。当該地域では主として自用目的での取引が中心で居住快適性や利便性、資産価値等を重視した取引が多い。低層共同住宅等の収益物件も見受けられるが、土地に対する投資採算性はやや低い。したがって、比準価格を標準とし、収益価格を比較考量し、さらに代表標準地との検討を踏まえ、鑑定評価額を上記の通り決定した。

価格形成要因の変動状況:
[一般的要因]: 感染症による混乱は収束に向かいつつあり、低金利政策は継続し不動産取引価格上昇傾向にある。区内の人口はほぼ横這い、世帯数はやや増加。
[地域要因]: 地域要因に特段の変化は見られず、当分は現状のまま推移するものと予測する。
[個別的要因]: 個別的要因に変動はない。市場競争力は中位程度であると判断した。

(参考) 収益価格算定にあたって主な前提

想定建物の状況:用  途: 共同住宅
建築面積(㎡): 95.00
構造・階層: S3 (鉄骨造3階建)
延床面積(㎡): 265.00
公法上の規制等
用途地域等: 1中専 準防 高度地区2種22m 最低敷地60㎡基準建蔽率等: 70 %
指定容積率・基準容積率: 200 %地積:   165 ㎡
間口・奥行: 11.4 m x 14.7 m
前面道路: 区道 6.9 m

想定建物: 鉄骨造3階建・建築費坪約75万円、賃料2500~2600円/㎡

想定建物の概要: 1フロアにつき1DK~1LDKタイプの住宅2戸、平均専有面積約40㎡を想定有効率: 90.0 % 理由:       同種の建物としては標準的である。

想定賃料等:
              用途       床面積   有効面積              月額支払賃料/㎡             月額支払賃料
1F          住宅       95.0㎡   85.50㎡               2,500円                             213,750円              1LDK
2F          住宅       95.0㎡   85.50㎡               2,600円                             222,300円              1LDK
3F          住宅       75.0㎡   67.50㎡               2,600円                             175,500円              2LDK

建物等の初期投資額:      60,000,000 円
算出根拠:220,000 円/㎡ × 265.00 ㎡ × (100% + 設計監理料率3.00 %) (建築費坪約75万円)
純収益: 6,040,966円
建物等に帰属する純収益: 3,756,000円 (元利逓増償還率0.0625)
土地に帰属する純収益: 2,284,966円  未収入期間を考慮した土地に帰属する純収益:2,230,812円
(土地の)還元利回り: 4.1%        土地の収益価格: 330,000円/㎡

(KN注:簡便法) 複合不動産の純収益からの算出

6,041,000 / 5.28% -  60,000,000 =  54,450,000円/165㎡
54,450,000円 / 165㎡ = 330,000円/円

鑑定評価書 (mlit.go.jp) を元にKN作成

以上

By Kota Nakako

2023/4/17

 

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